アスリートレポート

2016年6月27日

アスリート交差点:「楽しい」が原動力 新たな自分で挑むリオ(高桑早生 毎日新聞掲載コラム第7回)

毎日新聞 2016年6月27日掲載

アスリート交差点:「楽しい」が原動力 新たな自分で挑むリオ=パラリンピック陸上・高桑早生

昨年6月にこのコラムを始めたとき、「100メートルを13秒5台で走ること」を目標に立てました。達成したのは、4月30日に鳥取市であった日本パラ陸上選手権です。13秒59のアジア記録をマークしました。昨年中に記録を更新するつもりだったので「時間がかかってしまったな」というのが正直な思いですが、シーズン最初の大会で自己ベストを出すことはあまりなかったので、その点は自信になりました。


 昨年から本格的に取り組むようになった幅跳びは、当初の目標だった5メートルの跳躍は安定して記録するようになりました。ただ、昨年10月の世界選手権で銅メダルを獲得してからは、結果を求められるという意味でも「後戻りできないところまで来た」という気持ちにもなっています。何より、リオデジャネイロ・パラリンピックには走り幅跳びで代表の推薦をもらっています。自分の専門は短距離という意識から、幅跳びに関しては深く考えないようにしていましたが、やはりそれではダメだなと思い直しました。

 走り幅跳びに関してはスタート直後の速度を上げることと、最後に踏み切るときのリズムをかみ合わせることが必要だと感じています。国内には第一人者の中西麻耶選手がいます。走り幅跳びの方がリオではメダルに近いと言われるのであれば、麻耶さんに勝たないといけません。昨年の世界選手権のように、私には本番で記録に恵まれることがあります。そういう運も大切にしていきたいですね。

 国別に割り当てられる代表枠の関係でまだ正式には決まっていませんが、出場を前提に考えれば、リオは「アスリート・高桑早生」にとっては初めてのパラリンピックになります。

 陸上に関する知識は明らかに多くなったし、それを使いこなす技術は初出場した2012年ロンドン・パラリンピックの時より成長しています。4年前と今では、自分は別人。サポートしてくれた人たちの思いも乗せて、つるんと一皮むけた新しい私で挑めると思っています。
     ◇
 リオ・パラリンピックに向け、競技に専念できるように高桑選手の「アスリート交差点」は今回で大会前は最後になります。10月に再開します。
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 ■人物略歴
 ◇たかくわ・さき
 埼玉県熊谷市出身。小学6年で骨肉腫を発症し、中学1年で左脚膝下を切断した。初出場した2012年ロンドン・パラリンピックで陸上100メートル、200メートルともに7位。エイベックス所属。24歳。

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